健康診断を受けると、みんなちょっと心配している「コレステロール」・・・メディアでは「コレステロール」を下げなきゃ、下げなきゃというし、ダイエットの大敵っていわれるし、「コレステロール」は油だ!脂肪だ!っていう人もいるし、なんやかんやで結構みんな騒いでいるので、「コレステロール」=「悪いモノ」って思ってしまいがちですよね。
でも、実は、「コレステロール」ってもっと身近で、私たちが生きていく上でとても大事なモノなんです。今日はそんなコレステロールについてみていきましょう。
私たちは1日に必要なコレステロールの2/3をカラダの中で作っている!
私たちは、私たちのカラダに必要なコレステロール量の2/3を自分のカラダの中で作っていると言われています。食べ物の中に入っている悪いモノっていうわけではないんですね。私たちは主に肝臓で、脂質、糖質、たんぱく質を分解する過程でコレステロールを作ります。この分解する時に必要なのが、ビタミンやミネラルで・・・麹を使った発酵食品の中にたくさん含まれるビタミンB群もとても重要になります。
コレステロールは私たちに何をしてくれるのか?
私たちは自分自身でコレステロールを作っているということは・・・なにかしら体にとって必要だということです。さすがに・・・必要ないのにみなさんはわざわざコレステロールをつくらないですよね?笑
まず大きな役割からいうと・・・コレステロールは私たちのカラダを作る細胞を包んでいる細胞膜の原料です。細胞膜は、ただ細胞と細胞を分けるだけの膜ではありません。細胞の中身を守りながら、いい塩梅に物質やエネルギーを出入りさせているスグレモノ。このスゴイ膜を作るにはコレステロールが必要です。
もう一つすごいのは、私たちの脳の指令を正しく伝えるためのサポートをしてくれているということです。コレステロールの約1/4は脳にあり、脳から体の各部分に「こうしろああしろ」と命令を送っています。この命令が伝達されるとき、その命令が違う経路を通らず、正しく伝えられるように、コレステロールは神経線維を保護しているのです。コレステロールがなかったら、脳が言ったことを体は全く聞いてくれないかも・・・めちゃめちゃ大事ですね。
その他、体の中でビタミンDを作る原料になっていたり、脂肪の消化を助けていたり、ホルモンを合成する原料になっていたり・・・本当に私たちはコレステロールに支えられて生きていることがわかります。
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)は、本当に「悪」なのか?
この私たちにとって重要なコレステロール・・・実は2種類あります。そして、その2つのコレステロールは全く違う働きをしています。
まずは、HDLコレステロールと呼ばれる、「善玉コレステロール」。これは、体の隅々に流れる血管壁にたまったコレステロールを肝臓に運んでいます。そして、もう一つのLDLコレステロールと呼ばれる、「悪玉コレステロール」。こちらは、HDLコレステロールによって肝臓に集められたコレステロールを体の隅々に運んでいます。
だから実は、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)がないと、先ほどお話ししたような細胞壁や脳やホルモンが作ることができなくなってしまうんです。「悪玉」なんて名前を付けられたHDLコレステロールが不憫に思えてきました・・・。
なぜこんな呼ばれ方をするのかというと、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が増えすぎると、カラダの隅々に運ばれるコレステロールが増えてしまうということなので、血管にコレステロールが流れすぎて詰まってしまい、動脈硬化を促進します。その逆で、HDLコレステロール(善玉コレステロール)は、体の隅々に送られたコレステロールのうち、余分なものを肝臓に呼び戻すので、結果、動脈硬化を防止してくれるのです。LDLコレステロール(悪玉コレステロール)がとても不憫ですが、確かに私たち人間にとってはわかりやすい呼び方でした・・・。
コレステロールは私たちのカラダにとってとても大事ですが・・・やっぱり何事も、多すぎはよくありませんよね。笑