「発酵食品」という単語、最近はメディアでもよく聞くようになってきました。

日本に昔からある調味料である、味噌や醤油も発酵食品ですし、日本酒やワインなどのお酒も発酵食品です。発酵食品の代名詞として扱われることも多い納豆やチーズ、キムチなども・・・!巷には日本製、海外製含め、発酵食品があふれています。

発酵 VS 腐敗 似て非なる2つの意味

発酵食品っていうと、「腐っている食べ物だよね~」って言う方がいます。でも・・・「発酵」は決して「腐敗」と同じ意味ではありません。とはいえ・・・「発酵」と「腐敗」の違いって、人間からみた違いでしかないのは確かで 笑 「発酵」や「腐敗」をさせている菌からみたら、どっちも同じ、「彼らが生きていくための活動」の一つにすぎません。

例えば、私たち動物は、「呼吸」をしないと生きていけませんよね?「呼吸」は私たちが生きていくための活動だと言えます。「発酵」もこれと同じ。微生物の生きていくための活動が「発酵」です。「発酵」と「腐敗」の違いは、それが人間にとって、有益か、有害かの違いだけ。

人間が勝手に考えた定義でしかないんです。微生物にとっては、自分がしている活動の名前なんて、たいして興味ないかもしれません。笑

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発酵
=微生物の働きによって、分解・変化させて、
人間の体にとって「有益なもの」を作り出すこと。
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腐敗
=微生物の働きによって、分解・変化させることで毒素を生み、
人間の体にとって「有害なもの」を作り出すこと。
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微生物 VS 人間 微生物は「呼吸」も「発酵」もできる!

でも、わたしは、微生物は人間よりもすごい!えらい!と思っていたりします。なぜなら、人間は「呼吸」しかできないけど・・・微生物は、「呼吸」もするし、「発酵」もできます。スゴイでしょ!笑 微生物は、一般的に、自分の周りに空気があるとき(好気的条件下)は、私たち動物と同じく「呼吸」をし、空気がないとき(嫌気的条件下)は、「発酵」をすると考えられています。でも、厳密にいうと、その発酵菌によって、「発酵」するための条件は違います。

例えば、焼酎を作ってくれる黒麹菌は、空気があるとき(好気的条件下)でもクエン酸発酵をします。だから厳密に、空気がないとき(嫌気的条件下)にしか「発酵」しない!とは言い切れなくて・・・微生物はもっと自由に、のびのびと!・・・いろいろ活動しているのです。まぁ・・・そりゃそうか。人間も呼吸したり、息をとめたりしますもんねw (息を止めたら死んじゃうけど・・・やっぱり人間のほうができることの幅が小さいですね・・・微生物はすごい!)

今の発酵の定義とは? そして・・・

微生物学の基礎ができ、発酵が注目され始めたのは約120年前。そんなに昔のことではない・・・いや、昔だと考える人も多いかな?日本では明治時代、夏目漱石とか福沢諭吉とかがいた時代。海外の文化がちょっとずつ入ってきたころです。だから、学問としてはまだまだ新しいと言えそう・・・。まだまだいろんなことがわかってきそうなロマンの詰まった学問だとも言えます。

この120年ほど前に、フランスの科学者であるルイ・パスツールさんは、「発酵は、空気がないとき(嫌気的条件下)の活動である!」っていう定義をしていました。でも、それだけでは説明できないことがたくさんあることがわかってきて・・・最近では、かなり広義的に、「空気のあるなしに関わらず、微生物がもっている能力を使って、人間にとって有益なものを作り出すこと」を指すことが多いと言われています。

「発酵」の仕組みについては、科学的に証明できていないこともたくさんあり、学問的な研究はまだまだ進行中です。もしかしたら、また何年後かに、「発酵」の定義自体が変わるかもしれません。


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