酪酸菌の定義って?
酪酸を生成する偏性嫌気性芽胞形成グラム陽性桿菌である。クロストリジウム属のタイプ種でもある。芽胞の形で環境中に広く存在しているが、特に動物の消化管内常在菌として知られている。日本では宮入菌と呼ばれる株が有用菌株として著名であり、芽胞を製剤化して整腸剤として用いられている。その一方で醸造食品の劣化の原因になり、また天然にはE型ボツリヌス毒素を産生する株があり、稀ではあるが食中毒の原因ともなる。なおクロストリジウム属および近縁の細菌には酪酸を生成するものが数多く知られている。(ウィキペディアより)
・・・。むっ・・・難しい・・・w もうちょっとカンタンにしてみましょう。酪酸菌はいうならば、食物繊維などをエサとして食べ、その代わりに酪酸を作る嫌気性(空気がないところが好き)の細菌類のことを言います。酪酸菌は、強酸や強アルカリ性、または乾燥した環境では、芽胞という硬い殻の構造物を作り、生存します。そしてまた生きやすい環境になると改めて生育をはじめるという、自分の体を守るのがとても上手な菌です。芽胞、便利ですね!
芽胞があるために、かなり厳しい環境でも生きていくことができるので、人間などの動物の体の中にもたくさんいる消化館内常在菌の1種です。よく「腸に生きたまま届く・・・」というふれこみがありますが、酪酸菌は、まさに生きたまま届くことができる菌なのです。
酪酸菌はあだなを付けられやすい?
実は酪酸菌はいろいろなあだ名があります。
例えば、「腸のいやし菌」。これは後述しますが、腸内の善玉菌の繁殖をサポートしてくれる役割を担っていて、癒し系の看護婦さん的な、役割をしているために、そう呼ばれることがあります。腸の粘膜を修復したり、がん細胞の増殖を防いだり、人間にとってとても有益な菌なのです。
もう一つ、癒し系の看護婦さんにしては、不名誉なあだ名もあります。
別名「濡れた靴下」。酪酸菌は糠床の中にたくさんいると言われていますが、糠床を定期的にかきまぜないと、糠床の中で繁殖してしまい、濡れた靴下のようなじめっとした異臭が放たれることがあります。やはり嫌気性で空気を嫌うため、空気がない状態にするとどんどん元気になってしまうんですね。糠床を持つ場合は、定期的にかきまぜて、適正な酪酸菌の量を守ってあげる必要があります。癒し系だけど、実は足が臭い看護婦さんと覚えてくださいw
第3の善玉菌!ヒーローの乳酸菌のよいパートナー
酪酸菌は、人間の腸の中で悪玉菌を減らしてくれる乳酸菌を、パワーアップさせる働きがあると言われています。酪酸菌は人間が体に取り込む多くの食物繊維をエサに変えることができるため、人間がたくさん食物繊維を取れば、それをちゃんと善玉菌のエサにしてくれます。そして、元気になった乳酸菌が、悪玉菌を倒してくれるという仕組みです。
よく酪酸菌が多いと言われる食材は、何と言っても糠漬けです。昔の日本人は、このような昔ながらの食事をすることでおなかの中にたくさんの酪酸菌を持っていました。だから、食物繊維をエサにビタミンを作ることができて、腸内環境の腐敗や炎症を改善する役割を担っていました。他にもがん細胞の発育を抑制してくれていたというから驚きです。このような整腸効果は、やはり多くの研究者に認められ、今では芽胞を製剤にした整腸剤としても販売されています。
戦隊モノのレッドを助けてくれる、ピンクのような酪酸菌!お腹の中にたくさん飼って、健康を目指しましょう!